全国コラム > グループホームの費用は何と何でできているか——サービス費・家賃・食費は別勘定

グループホームの費用は何と何でできているか——サービス費・家賃・食費は別勘定

障害者グループホーム(共同生活援助)で本人が払う費用は、性質の違う3つに分かれる。サービスそのものの利用者負担、住まいの家賃、そして食費や光熱水費である。このうち介護給付費の対象になるのはサービス部分だけで、家賃と食費は対象外である。本稿が扱うのは障害のある人向けの共同生活援助であり、高齢者向けのグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは別の制度である。

サービスの費用は1割が上限、ただし月額に頭打ちがある

障害者総合支援法第29条第3項は、介護給付費の額を「第1号に掲げる額から第2号に掲げる額を控除して得た額」と定める。第1号が主務大臣の定める基準で算定した費用の額、第2号が利用者が負担する額である。

その第2号は、負担額を「当該支給決定障害者等の家計の負担能力その他の事情をしん酌して政令で定める額」としたうえで、「当該政令で定める額が前号に掲げる額の百分の十に相当する額を超えるときは、当該相当する額」と定めている。つまり本人の負担はサービス費用の1割が上限であり、それより低い額が政令で定められていればその額になる。

政令が定める負担上限月額

施行令第17条が、この負担上限月額を区分ごとに定めている。

区分負担上限月額
第1号(第2号から第4号以外の者)37,200円
第2号9,300円
第3号・第4号(市町村民税非課税・生活保護)0円

ここに、見落とされやすい但し書きがある。第2号の9,300円の区分は、その本文で「共同生活援助に係る支給決定を受けた者」を明示的に除いている。グループホームの利用者はこの区分に入らない。市町村民税が非課税であれば0円、課税されていれば37,200円が上限となる。

第3号は、支給決定障害者等と同一の世帯に属する者が市町村民税を課されない場合に0円とする。ただし括弧書きで、20歳以上の障害者(特定支給決定障害者)については、世帯の範囲を「その配偶者に限る」としている。親と同居していても、親の課税状況は算定に入らない。

家賃と食費は給付の対象ではない

法第34条第1項は、共同生活援助などの支給決定を受けた障害者のうち所得の状況等をしん酌して定める者(特定障害者)に対し、「共同生活援助を行う住居における食事の提供に要した費用又は居住に要した費用」について特定障害者特別給付費を支給すると定めている。

食費と居住費が別の給付として立てられているということは、裏を返せば、これらが介護給付費には含まれていないということである。家賃・食費・光熱水費は、サービスの利用者負担とは別に本人が事業所へ支払う。

補足給付は、グループホームでは家賃だけが対象

この特定障害者特別給付費(補足給付と呼ばれる)の額は、施行令第21条第1項が対象者の区分ごとに定めている。

条文を読み比べると差がはっきりする。施設入所では食事の提供と居住の両方が対象であるのに対し、グループホームでは居住に要する費用、すなわち家賃だけが対象で、食費は入っていない。

また第2号には「その額が現に居住に要した費用の額を超えるときは、当該現に居住に要した費用の額」という括弧書きがある。実際の家賃が基準費用額より安ければ、支給されるのは実際の家賃の額までである。基準費用額そのものは政令ではなく厚生労働大臣が定めるため、具体的な金額は告示で確認する必要がある。

基準費用額を超えて支払わせた場合

施行令第21条第3項は、特定障害者が指定障害者支援施設等に対し、食事の提供及び居住に要する費用として食費等の基準費用額を超える金額を支払った場合には、特定障害者特別給付費を支給しないと定める。給付を前提にした上乗せ徴収を認めない趣旨である。

食材料費の過大徴収を理由に指定取消処分が行われた事例として、株式会社恵の事案がある(厚生労働省 令和6年6月26日公表)。同社のグループホーム5事業所が愛知県及び名古屋市から指定取消処分を受けた。

費用の全体像

費目給付の対象か誰に払うか
サービスの利用者負担対象(介護給付費)事業所(1割上限・月額上限あり)
家賃対象外だが補足給付あり事業所
食費対象外・補足給付もなし事業所
光熱水費・日用品費対象外事業所

当サイトの数字では金額は分からない

当サイトの市区町村ページに載せているのは、WAMNET「障害福祉サービス等情報公表システム」のオープンデータ(2026年3月末時点)に載っている事業所の数と名前である。このデータに家賃や食費の額は含まれていない。

家賃・食費・光熱水費は事業所ごとに、また住居ごとに異なる。実際にいくらかかるかは各事業所に、負担上限月額や補足給付の適用は市町村の障害福祉担当窓口に確認する必要がある。当サイトは費用の見積りや個別の適否の判断を行うものではない。

→ お住まいの町の数字を調べる(市区町村別データ)

このサイトの「グループホーム」について

本サイトの数字はすべて障害のある方向けのグループホーム(共同生活援助)です。高齢者向けのグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は含みません。名前が同じでも別の制度です。

数字の出どころ(すべて公的データ)

事業所の数と一覧=WAMNET 障害福祉サービス等情報公表システム オープンデータ(2026年3月末時点)/人口=総務省 住民基本台帳(令和7年1月1日現在)。詳しくは出典とデータについて

数え方の注記

「この1年の増減」=2025年3月末→2026年3月末の掲載数の差(開設・掲載開始・廃止を含む)。複数の町に住居を持つ事業所は代表の町で数えています。